ガラスコーティングの魅力について

塗装の役割

カーコーティング塗装の役割

自動車の塗装だけに限らず、一般的に塗装というものには特定の役割があります。それは本体の代わりに劣化するということです。劣化しないものが良い塗装だという印象がありますが、それは常に正しいというわけではないのはこのためです。
塗装の代表例として家を例にとってみましょう。家屋は外壁にペンキを塗ります。このペンキは何のために塗るのかと言うと、外壁材を守るためです。さらに外壁材は何のためにあるのかと言うと、雨や風から柱などの構造物を、さらには中に住んでいる人間そのものを守るためです。
家屋のペンキでも自動車の塗装でも、太陽の紫外線によって必ず劣化します。また風に乗って木の枝や砂がぶつかり傷がつくということも避ける事が出来ません。中にある一番大切なものを守るために外壁材や屋根があり、その外壁や屋根は日光や風で必ず劣化しますので、外壁の代わりに日光を浴び風で傷がつくことによって、外壁の劣化を引き受けているのが塗装の役割となります。
この関係は自動車の塗装でも同じであり、中にいる人間という最も大切なものを守るために、またエンジンなどの構造物を守るために 外装があり、その外装は塗装によってサビや傷から守られています。さらにその塗装を日光や汚れから守るためにコーティングがあります。

コーティングのメリット

コーティングのメリット

カーコーティングは車の塗装の上に樹脂やガラスなどの成分の皮膜を作ることです。車は塗装されたままの状態だと傷や汚れが付着しやすく、紫外線によって塗装が劣化することがあります。また小さな傷がつくことは避けられないのですが、そこに雨などの水が溜まり、埃や花粉や鉄などのゴミがたまっていき、見た目も悪くなり、劣化もしやすくなります。
コーティングの役割は、種類にもよりますが、基本的に樹脂やガラスなどの皮膜によってボディが滑りやすくなり水が溜まりにくく汚れが落ちやすくなります。この効果を実感するのは洗車が楽になるということでしょう。 またコーティングの皮膜の強度は、種類によりますが、基本的にこの被膜が物理的な傷が付くことから守ってくれるという効果があります。
また水がたまることは、雨シミという車に着く鱗のような白いシミを付きにくくします。雨シミにはイオン・デポジットと呼ばれる水の中のミネラルが残ってシミになってしまうものと、ウォータースポットと呼ばれる水分がレンズの効果で熱を集め塗装面が焼けるものがあります。どちらも厄介なものです。
またこれは副次的なメリットですが、大きなものとして、車を売る時の査定が上がるということがあります。コーティングの役割は、自らが劣化することにより車の塗装や外装を守ることにあります。色褪せが少なくキズも少ない状態の車は、売却時に査定額が上がる可能性が高くなります。

親水性と撥水性

カーコーティングの親水性と撥水性

カーコーティングには水の弾き方の違いで撥水性と親水性の二つがあります。
撥水性は雨などの水分が水玉になって転がるという特性があります。見た目にもコーティングの効果が一目で分かり人気があります。しかし場所によっては水が溜まりやすくなり、前述の雨染みが起きやすくなってしまうことがあります。
親水性は水が水玉に流す流れ落ちるという特性を持ちます。これは塗装面と水の接触角度によって起こることで親水性の角度は40°以下、撥水性の角度は90°以上となることで発生します。親水性のコーティングは一見したところコーティングの効果が分かりにくいということはありますが、雨染みや水垢に強いので、 黒い車の場合だと鱗のような白いシミとなってしまう雨シミを避ける意味でも、また洗車の頻度が低い人にとっても、撥水性には価値があります。

コーティングの種類

コーティングの種類

カーコーティングの種類には油脂系コーティング、樹脂系コーティング、ガラス系コーティング、ガラスコーティングの4種類があります。

最も一般的で最も基礎的なのが油脂系コーティングであり、これは従来のワックスのことです。
価格も安く、初心者でも簡単に行うことができ、車のメンテナンスの基本的なものであると言えます。しかしあくまでもその目的は艶出しであり、キズや汚れを防ぐ効果は低く、また雨で流れ落ちてしまいますので、約1か月ごとに塗り直しが必要になります。

樹脂系コーティングは、シリコンやフッ素やテフロンといったポリマーが原料となります。車体の塗装の上に強い皮膜が作られ、その皮膜によって汚れや傷から塗装を守る効果が期待できます。また細かい傷を埋めて光沢が出るので、車体がピカピカになるのが魅力的です。
樹脂系コーティングは耐久性が低いという油脂系コーティングの問題を乗り越えるために登場したものですが、それでも耐久性は約3ヶ月と短いのが特徴となります。

ガラス系コーティングは樹脂系コーティング剤の中にガラス成分を混ぜたもので、耐久性が増し効果の持続期間が6ヶ月程度まで伸びます。また油脂系や樹脂系よりもやや光沢が自然であることも魅力的です。

ガラスコーティングは、樹脂系コーティング剤にガラス成分を混ぜたものではなく、ガラス成分そのものが主成分となっています。塗装表面から剥がれづらい高密度のガラス被膜を作り、最高の強度を持つ皮膜が様々なダメージから車体を守ります。しかしそのぶん施工は高度になり費用が高額になる傾向があります。

ガラスコーティングのメリットとデメリット

ガラスコーティングのメリットとデメリット

ガラスコーティングのメリットは何といっても強力なことです。
他のコーティングよりも強度が高く、様々な傷や汚れや紫外線による退色の影響を最小限にとどめる効果が期待できます。雨をはじく効果も高く、雨シミができにくく汚れが落ちやすく洗車が楽です。車の塗装を劣化させる原因をガラスコーティングが守ってくれるために、新車時にガラスコーティングを施せば、そのまま新車に近い状態を維持できることが期待できます。

ガラスコーティングのデメリットは高価なことです。その施工は専門業者に依頼することが一般的であり、車の形状や大きさによっても異なりますが、他のコーティングシュガーと比較するとかなり高めの金額になります。またガラスコーティングの施工に数日かかる場合があり、その間車を預ける必要があります。

ガラスコーティングのメンテナンス

ガラスコーティングのメンテナンス

油脂系コーティングの耐久性が1か月、 樹脂系コーティングの耐久性が3ヶ月、ガラス系コーティングの耐久性が6ヶ月というのと比較すると、ガラスコーティングの耐久性は一般的に3年から5年と言われます。
他のコーティングと比較して耐久性が長いことは事実であり、かつ実際に長持ちもするのですが、5年間にわたり全く何のメンテナンスをしなくても新車同様であるというわけではありません。メンテナンスは必要になります。
ガラスコーティングは汚れが付きにくく落ちやすい効果がありますが、全く汚れがつかないというわけではなく、油やホコリなどが車体につくこと自体は避けられません。 汚れがたまれば撥水性などを低下していきます。ワックスがけをする頻度という意味では3年から5年持つと言えるのですが、水や泥やホコリや油などにより車体が汚れた場合にはこまめに洗車することが大切になります。
そのためガラスコーティングにおいては、半年に一度ほどはメンテナンスを受け、本来の強度と耐久性が劣化しないように維持することが望ましいと言えます。